4月21日の市議会議員選挙から早いもので2週間ほど経過した。その間に平成が終わり、令和が始まり、犬山城の御朱印がちょっとしたブームになり、GWは犬山城城下町に人が溢れて、城下町へ寄り付かなかった方もいたのではないだろうか?
犬山市議会はGW中も所属会派を決めたり会派から議長の立候補を募ったりと大忙しの様子。新星犬山市議会の会派が固まり、5月13日の臨時市議会で議長が決まると聞き、各会派のメンバーと任期、前回選挙の得票数などをまとめてみた。市民としてどんな期待を寄せるのか、一覧表にしてみましたので参考にされてはいかがだろう?(各議員の紹介記事を名前にリンクしておきます。そちらも参考になさってください。)
※各議員の敬称は略称にて失礼します。
市議会の議長って?役割はなに?
沖縄の与那国町議会の議長が99回にわたり決まらなかった事がある。記憶にある方もいるのではないだろうか?
与那国町議会、99回目の議長選でようやく議長が決まる。混迷した理由は?
そもそも議長が決まる前にちゃんと話し合っておいたらいいにと思って読み進めてると
慣例に従う決まりはない。否決ばかりする野党が過半数となれば町政が進まないため、必要な手段だ
引用:ハフポスト
選挙で人数が2で割れる数を議員数にしてしまってるから仕方ないといえば仕方ない。しかしもう少し何か手段はなかっただろうかとも思う。
では市議会の議長とは、どんな職務なのか?少し調べてみた。
市議会の議長は司会職?それとも…
犬山の市議会での議長職の定義は下記の様になっていた。
議長・副議長は、議員の中から選ばれます。
議長は市議会を代表し、議会の秩序の保持をはじめ、議会に関する事務を処理します。
副議長は議長が病気や諸般の事情で職務が執れないときに、その代わりを務めます。
引用:犬山市HP
と、この解釈だと完全に議会の司会者のように読み取れてしまう。しかし、議長は災害時や有事の際に市役所に詰めていなければならないこともあり、一概に名誉職とは取れない。また、昨年度犬山市で行った「市民スピーチ制度」は議長提案だったことも忘れてはいけない。また、議長であることでTV露出も増えていた。
詰まる所、議長とは市長にモノを申せて、行政執行部の提案に対して拒否権を発動させることができる重要な役割であると同時に、政策決定の是非を取りまとめる立場にあると言っていい。
名誉職に思われがちな市議会議長だが、意外と見えないところで活躍しているのだ。と、この話は久世議員から聞いた話なので本当はもう少し重要なポストのはず。見えそうな大事なところだけを紹介させていただいた。
では次に、各会派の紹介と役職についてまとめてみた。
犬山市議会会派一覧!
犬山市議会には6会派、人数は会派毎それぞれですが、4月に行われた選挙で6人の新人市議が誕生している。諏訪議員は公明党の所属のため三浦議員と同じく公明クラブに入会、他の新人は丸山議員を除いて独立会派を作った。
では人数の多い会派から紹介いこう。
歴代最も議長を配している「清風会」
氏名 | 役職 | 得票数 | 任期 |
代表 | 789 | 4期目 | |
幹事長 | 821 | 5期目 | |
会計 | 1061 | 4期目 | |
2210 | 5期目 |
犬山市議会の中で歴代市議会議長を輩出している会派がこの清風会。山田拓朗市長も市議会議員時代は清風会に所属していて、伝統のある会派だ。
現在の代表は吉田市議。「議会改革、開かれた市議の作り方」を標榜して昨年度は市民スピーチ制度の導入や市議会ネット配信など開かれた議会提案を出し続けている。
今回も早々にビアンキ議員を議長に推薦。本人も立候補の意思をSNS上で表明していた。再び開かれた議会改革に進めるか、注目したい。
新人議員の会派「令和新政クラブ」
新人議員4名による会派がこちらの令和新政クラブ。注目したいのは大井議員、長谷川議員、小川議員の3人がインフラの専門家であることだ。
大井は交通関係の専門家、長谷川は道路関連、小川は元市役所部長級という新人らしからぬ経歴の持ち主ばかり。
インフラ関係、特に城下町渋滞など観光地にありがちなインフラ整備ができるか否かに筆者は密かに期待している。
伝統の共産党議員連「日本共産党犬山市議団」
「日本共産党にもし伝統があるのなら、犬山市ほど共産党の党員が市議会議員として安定的に輩出されている市町村はない」とどこかの選挙ウォッチャーが語っていた。なにせ岡議員は10期目、重鎮中の重鎮。しかも犬山市議の共産党員はそれほど色が濃くなく、本当に市民の目線で活動されている方が多い。
岡議員が議長になれるか、注目が集まる所。筆者個人として岡議員があまりにも紳士すぎるので応援したい所だ。
新しい風を吹き込めるか?「フォーラム犬山」
代表に鈴木伸太郎を置き、山田拓司元議長を幹事長に据えたフォーラム犬山。注目したいのは新人の丸山議員で、地方信用金庫出身、中小企業診断士がまちづくりに深く関われるかだ。
市議会に新しく風を吹かせるなら鈴木議員の発言力にも注目したい。他の会派と連携を取るのか、それとも??ここの会派が今回の議長選出のキーマンになりそうだ。
三人で最も多い得票数を稼いだ「犬山市民クラブ」
得票総数6208票、前回の選挙で投票した有権者数約30000人のうちの1/5以上を3人で稼いだ犬山市民クラブ。代表の中村貴文を議長にと推す声も多い。それだけ市民から見られているのだ。
しかし得票数だけで市議の優劣は測れないとの声も聞く。これだけ注目されたのだから、市民目線で声を挙げる事ができるのか?に注目があつまる。
もし市民目線での議会運営ができないとなると次回の選挙が厳しい。期待値が大きいだけに一挙手一投足が注目されるのだ。
安定の政権与党「公明クラブ」
日本の政権与党として国の施策をそのまま市町村へダウンサイジングできるのか?公明党に課せられた課題が多くなってきた昨今、市議会議員にもそれを求められているのは事実である。
そこへ新人の諏訪議員がどこまで市民目線で表現できるのか、三浦議員のサポートを受けながら1年、2年は我慢かも知れない。
自民との連立政権が揺らいでいる今、公明党の存在感を示せるのか?に注目したい。
どこにも属さないで自由に動けるか?
市議会の会派に属さない議員もいる。玉置幸哉だ。
無所属であることが信念なのか、それとも・・・?
どの会派にも属さないといろいろと議員活動に支障が出る気がするのは筆者だけだろうか?
また、なぜ無所属を選んだのか、そのあたりを聴いてみたものだ。
議員として自由に動くとなると各会派が受け取ることができる助成金(政党助成金)は相当重要だ。(共産党は党の方針で受け取らないことになっている)
犬山市では議員個人に付き10万円まで活動費が支出される。この10万円の出処は、犬山市民による税金から拠出されるのを忘れてはいけない。議員とは市民の代表、好き嫌いで判断されるのもいいが、市民目線をもってほしいと切に願う。
議長は誰になる?予想してみた!
久世議員がこんなツイートをされていた。
以前の犬山市議会では、「市長提案に賛成しかしないシャンシャン議員」たちが集まって事前に議長を決めてしまうことが横行していました。それを変えたのが「立候補制」。密室談合はやめて、市民の前で議長にふさわしい人を決めようという趣旨です。まさか今回そんな談合はしていないと思いますが…
— 久世高裕 犬山市議会議員 (@kuze_takahiro) 2019年5月9日
議員の立場なので当然気になる議長選出。大胆ですが、筆者に一人だれ?と聞かれたら「中村 貴文」と答えたいところ。
これには理由があって、人気、任期数4期目、市民目線、一本筋の通った公約を掲げている点を並べると、中村議員が適任。
また、五郎丸地区という犬山市のちょうど中間あたり出身であることも理由の一つ。犬山駅前の再開発よりも国道41号線の周辺、特に五郎丸周辺の再開発を進めたいと山田市長が明言していることもあり、適任者は地元出身者であればなおよし。
ただ、得票数が最多なだけに市民に信任された議長であれば行政の監督も適任者だろうという市民の目もある。
よって筆者の予想では「中村 貴文」である。
議長の任期は2年!犬山はどう変わるのか?変えるのか?
市議会の議長という普段はあまり聞き慣れない事柄に触れてみた。いかがだっただろうか?
「議長って司会者だよね!」という間違った解釈があると困るのでもう一度繰り返しになるが、政策意思決定は市長、それに賛否を取りまとめるのが議長以下市議会議員という立ち位置だ。
議長権限で発動できる政策もあると聞く。犬山市市民スピーチ制度はその一つだ。
今回の議長は清風会から議長が出るのか、それとも予想したとおり中村議員率いる犬山市民クラブから輩出されるのか注視したいところ。
犬山市議会の良いところはベテランと呼ばれる議員(6期以上務める議員)が岡市議のみ。所属政党が共産党ではあるが、限りなく市民目線に近い方なので政策面も信用がおける。「市議会議員だぞ!」と肩で風を切る勘違いした議員が少ないのだ。ほぼ全員が市民目線を持っているため、市民や関係市民との対話がしやすいのである。
この「対話」が非常に重要で、岡議員の受け売りだが「市政が声一つでなんとか変えられる、この仕事の面白さ、やりがいはここにあるんだよ」と。声をきく、曲げずに伝える事ができる議員が多いのだ。(全員ではないから困ったものだが)
公明党の市議も2名いるが、この2名も岡議員と同じ様に党の色合いが薄い。そこを考えると犬山市議会とは相当レベルの高い討論を繰り広げるし、久世議員のいう「シャンシャン議員」やみる、きくことができない議員は淘汰されていると考えていい。
市政がどう変わるのか?先の選挙から犬山市議会や市政を追いかけている訳だが、当方このあとも市民目線でお伝えできればと考えている。
文責:犬山さんぽ編集長・岩田武