犬山市長選挙が11月27日(日)に投票、即日開票され結果が決まった。次の犬山市市長は元県議会議員の原よしのぶ氏に決まった。各候補は長い一週間を終え、27日の投票日を迎えたわけだが、結果が出た今、新聞などのレガシーメディアとは少し違った視点でこの選挙戦を振り返ってみたい。前置きが長くなり申し訳ないが、一言だけ書き残しておくとあくまでも投票数からの数字を冷静に見た分析である。
投票率は何%だったのか?
まず選挙の結果から…
17675票 原よしのぶ (54、無所属、新人)
5291票 丸山こうじ (44、無所属、新人)
5047票 田中ゆきのり(64、無所属、新人)
結果、原よしのぶ候補が時期犬山市長として当選した。
さて、気になるのは投票率だ。今回は誰が当選するか?よりも投票率が気になったので開票所で最後まで観覧していた。
最終投票数が28,304票、無効票が291票、有効投票数が28,013票となっていて、投票率は47.66%となる。前回の市長選挙は49.6%だったので2ポイント下がった投票率となった。
ちなみにだが、当犬山さんぽで掲載した市長選挙の特集記事が7日間で7万PVを超えている。犬山市以外の市町村から読まれていたのだが、普段あまり犬山市内からの検索流入は少なかったのだが犬山市からの検索流入を絞って調べるとこの7日間で述べ25,000人から検索され、各候補の記事と過去の分析記事を読まれていたようだ。検索流入数と投票者数がほぼ同じくらいなのは興味深い。それだけ気にされたのか、それとも??
話を元に戻すが、原氏は盤石だったのか?と問われると数字だけ見てみると他の候補から3倍以上の大差をつけて勝利した!と捉えがちだけど、筆者はこの数字に危機感を覚える。
決して今回は圧勝ではない
前回(2018年11月)に行われた市長選挙の選挙結果を見てみよう。
20,471票 山田たくろう
9,136票 田中ゆきのり
投票率は49.6%、有効票は29,607票で、得票数を見ると山田たくろうさんが田中ゆきのりさんにダブルスコアで勝利している。
ここで考えたいのは総有効票からの獲得票率である。29,607票を100%として山田氏は69.14%、田中氏は30.86%である。投票に行った犬山市民の69%から信任を得た事になり、この数字は圧勝と言っていい(それでも30%は支持していない)。
では今回の選挙を投票率から各候補の得票率を算出してみる。有効投票数28,304票が分母になるので…
原氏 …17675(票)/28304×%=62.45%
丸山氏… 5291(票)/28304×%=18.69%
田中氏… 5047(票)/28304×%=17.83%
落選した候補のパーセンテージの総数は36.52%となる。数字で表すと確かに落選した候補のトリプルスコアで原氏が勝っている。が、原氏に反対票を投じた総数は10338票となるのだ。
「落選した2人の総数を合わせても原さんよりも少ないじゃないか!?」と言われるかもしれないが、11月27日の犬山市市長選挙に参加した有権者のうち1万人が原氏に反対票を投じたのだという事実が浮かび上がる。
前回の市長選挙がダブルスコアの圧勝だったことを考えてみると、この先の原市政が盤石ではなく、市議や行政側と慎重に事を進めていく必要はありそうだ。(そもそもトリプルスコアはありえない)
総括してみると、落選した丸山、田中の両候補は原氏に迫れる勢いはあったのだと思う。だから票が割れたのであり、落選したとはいえ、供託金が返納される10%の得票数を獲得している。
原新体制は12月17日から!
「もしかして田中さんが出馬したことで激戦になるのでは?」と思っていた今回の犬山市市長選挙。結果、原氏が次の市長に決まった。が、落選した候補の選挙公約はどちらも実現可能でとても素敵な話であった。
原氏、丸山市は子育て、田中氏はまちづくりがメインテーマでとてもバランスの取れた公約を提示していたし、東西南北の犬山をどう変えるのか?といった話も聞けた。
新体制が12月から始まる。観光の話を今回の選挙戦からは一切聞こえてこなかったが、産業と位置づけるのは間違いなく観光路線だ。数字からピークは去ったと思われる犬山市の観光資源をどう掘り起こすのか?それとも掘り起こさずに観光公害を抱えたまま走るのか?インバウンド需要が間違いなく増え始めている中、原市政の第一期が始まる。