犬山に初のオリーブ農家が誕生していました。現在の主力となる商品を紹介するとともにオリーブ農家となるまでのご苦労などをお聞きしてきました。
福山裕也さんは3年目の新規就農者で、犬山では初のオリーブ農家となる方です。
この度、まだ製品化はされていないオリーブの実の塩漬けの試食の機会を頂き、就農までの経緯を伺ったところとても興味深いことが多く、記事を書かせて頂くこととなりました。
オリーブ農家になるまでの経緯

本誌齋藤記者(左)とオーナーの福山さん(右)
オリーブの木との出会い、キッカケは庭木選びからとお話されていました。本職はウェブ系のデザイナーで、10年前に家を建てる際に庭木として常緑樹で実のつくものをと探していたところオリーブと出会ったそうです。オリーブは栽培するのも比較的簡単で人気が出てきていると言われています。
オリーブの木には様々な意味合いがある?

福山産のご自宅には所狭しとオリーブの鉢植えが並ぶ
オリーブ栽培で有名なのは日本では小豆島となりますが、福山さんも小豆島で主に栽培している4種のうち3種から栽培を始められたそうです。10年経った現在、福山さんの庭ではなんと50種もの種が栽培されています。
なぜ多品種を栽培しているのか。それはオリーブが多品種同士の交配でしか受粉せず実がならない樹木だからです。多品種を栽培することで、実をなる機会がより増えるということでした。
オリーブの木の花言葉は、「平和」「知恵」「勝利」などがあります。また、樹木が長寿になるため「長寿」、他品種との交配によって実がなるため「夫婦」の象徴ともされているといいます。
そのため現在商品化されているオリーブの鉢植えは、「敬老の日」や「結婚祝い」にも贈られているそうです。
就農までのご苦労は?
オリーブとの出会いは10年前になりますが、就農できたのは3年前になります。一番苦労をされたのは耕作地探しだったとのことでした。
耕作放棄地などの持ち主に当たってみても、樹木の栽培だと分かると話も聞いてもらえないこともあったそうです。結局、市役所の仲介もあり身体を壊されて耕作が難しい方との話が進み、今の土地に出会えたそうです。
栽培する上でのこだわりは?
樹木が大きくなることを想定して、すでにオリーブ農家をされている農家さんのやり方を参考に、木々の間隔を大きくとって植え付けていることだそうです。
現在の主力商品はオリーブ茶

程よい苦さのOliveの葉から抽出されたお茶
まだ実が多くなるまでは樹木が育っていないため、現在商品化されているのは先に上げた鉢植えと、葉を使ったオリーブ茶です。
主力のオリーブ茶は、ノンカフェインなのでお子様や妊娠・授乳中の方にも安心して召し上がっていただけます。オリーブの葉には、果実よりもはるかに多くのポリフェノールが含まれ、中でもオレウロペインという成分は優れた抗菌・抗酸化作用を持っているとされているそうです。
オリーブ茶を頂きましたが、ほんのりとした苦味と特有の香りがあり、また温かいものと冷たいものでそれぞれ風味が変わり新しい嗜好品の一つとなりそうです。
ふるさと納税の返礼品として採用
現在は、犬山市のふるさと納税の返礼品としても登録されています。また、学校給食にも試みで使われ始めたそうです。
今後は皆さんの嗜好品の一つとして、中華料理や鰻料理など脂っこい料理のお供としても飲んで欲しいという思いをお持ちでした。
これからの展望は「犬山オリーブ」として地域ブランド化を
実がたくさん実り収穫できるまではまだ4、5年かかるそうです。たくさんの実が出来る頃までには、オリーブの実を使った商品も販売できるように、一つ一つの課題をクリアしていかれることと思います。
犬山の唯一のオリーブ農家として、「犬山オリーブ」として地域ブランドとして発信していきたいと強く思われている福山さんのACE OLIVEの今後を大いに楽しみにしていきたいと思います。
店舗詳細
店名:ACE OLIVE
住所:愛知県犬山市楽田
お問合せ先:https://thebase.in/inquiry/aceolive-theshop-jp
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